楽天オプティミズム2024まとめ

こんにちは。コンサルタントの鳴瀬です。

今年も楽天が主催する大規模イベント「Rakuten Optimism 2024」が開催され、楽天グループの今後の戦略や、楽天市場の事業方針に加え、各種新機能など、様々な内容が発表されました。

そこで、「楽天オプティミズム2024の見どころ」として、我々コンサルタントが「店舗運営者にとってここがポイント」と思うところをまとめました。

本ブログではイベントの主要トピックをわかりやすく解説しつつ、当社なりの解釈と将来予測を織り交ぜながら運営者への影響を掘り下げます。

まだ内容を把握できていない方はもちろん、「内容は知ってるけど、自分の店舗にどう活かせばいいの?」と悩んでいる方にも参考になる情報をお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください!

はじめに

「楽天オプティミズム2024」では、楽天グループ全体の動向と楽天市場の事業方針や、各種新機能に関する様々な発表がありました。

楽天グループ全体の主なテーマは「楽天モバイル」と「AI」の二本柱で、これらを活用した楽天経済圏の強化が戦略の中心となっています。楽天モバイルは契約数を順調に伸ばし、年内には黒字化の基準にまで達成の見込みだそうです。この成長が楽天市場にもプラスの影響を与えると期待されています。AIに関しては、独自開発の大規模言語モデル(LLM)や「ユニバーサルコンシェルジュ」機能など、様々なサービスへの導入が予定されています。

その中で、楽天市場においては、「最強配送」の本格展開や定期購入のリニューアル、AIを活用した検索精度の向上など、多くの新機能や改善が発表されました。これにより、ユーザー体験の向上が見込まれますが、出店者にとっても大きな影響を与える可能性があります

まず会で話された概要を説明します。次に、当社なりの将来予測、及び、内容詳細を解説します。未来を観察しながら、いざという時に動きやすいよう、足元の仕事や体制づくりにお役立ていただきたいと思います。

楽天グループ全体の動向

オプティミズムで共有された楽天グループ全体の主なテーマは「楽天モバイル」と「AI」の二本柱。これらの進化が楽天市場を含めた楽天グループ全体をどのように強化していくかが重点的に語られました。

(1)独自のAI開発

  • 楽天が独自に開発しているラージランゲージモデル(LLM)であり日本語に強いAI「RakutenAI 7b(セブンビー)」の紹介
  • AI企業をパートナーに招き、楽天でつくりあげたAIを誰もが活用できるようにしていくという構想

(2)「ユニバーサルコンシェルジュ」機能のリリース

  • 楽天グループの持つ全てのサービス(金融や飲食店情報等も含む)のデータを包含したコンシェルジュサービスがリリース予定
  • ユーザーの抽象的なニーズに対して、AIチャットが推薦や提案を全て対話型でやってくれる
  • 例えば買い物における商品検索も、「なんとなくこんなものを探したいんだよね」という抽象的な検索で、情報が出てくるようになる(すごいですね)

楽天市場の現状と方針

楽天市場の戦略としては、新春カンファレンスに引き続き、「ライト層のロイヤルカスタマー化」と「新規顧客獲得」の2本立てにて、楽天市場の成長を索引していく方針とのことです。

楽天市場は成長傾向

  • 楽天市場の流通額は、全期間を均すと成長傾向である
  • 売れ方としては、「よりセールで売り上げを作る」傾向が強まっている
  • 大型イベントは今後もさらに進化させていく方向

「最強配送」は静かにスタート

  • 7月に開始となった「最強配送」については、出店者に積極的な参加を呼びかけている
  • 9月末には「検索精度ガイドライン」が公開される予定

楽天経済圏を活用したユーザー育成の構想

  • 「楽天経済圏」と「楽天ポイント」を武器に、ユーザーの新規獲得と育成を仕掛けていく構想がある
  • ライトユーザーへのアプローチとしては、セールイベントへの参加を増やす策が考えられている
  • 新規顧客を獲得するアプローチとしては、「楽天モバイルユーザーの拡大」「CM」「SNSの発信強化」の方針

オプティミズムを踏まえた当社の解釈と将来予測(坂本解説)

坂本です。今回のオプティミズムでは特に大きなニュースはありませんでしたが、注目すべきトピックがいくつかありました。それを紹介しつつ、「楽天グループ全体の話」と「AIの話」の 2つの観点での将来予測の話をします。

楽天グループ全体の将来予測

楽天グループ全体の将来予測の話をするには、「楽天の置かれている立ち位置」を踏まえておく必要があります。楽天には2つの戦いがあります。1つは経済圏戦争、2つめは対アマゾン。

各社がポイント経済圏をつくろうとしています。Yahoo=ソフトバンクだけでなく、三井住友のOlive(※)という新たな競争相手も現れました。※オリーブ。三井住友のモバイル金融サービス

(そういえばもう4年前ですが、経済圏戦争の話を書きました。本件に詳しくない方は読んでみてください)

そんな中での楽天グループ全体の戦略は、「モバイル」確立による経済圏強化だと考えます。年初のカンファレンスでは700万回線を超えたと報告がありましたが、もう750万件の手前まできていて、年内に800万件を達成しそうとのこと。

対アマゾンの戦いにおいて、ポイント経済圏&モバイルは、Amazonが持たない強力な武器です。そこでさらに、アマゾンの強みである配送スピードや利便性が楽天でも向上すれば、「楽天で買えばポイントも付く」という利点が機能して、Amazonじゃなく楽天を選ばれるのではという目論見があるのでは。そういうわけで、モバイルに続いて、最強配送やRSL(楽天スーパーロジスティクス)を推進していると考えます。

AIの将来予測

情報検索でも商品検索でも、検索エンジンが変わってきそうです。

まず情報検索。Google検索は、検索上部に生成AIのまとめを表示するように変わりそうです。Googleで「魚を3枚におろす」と検索すると、検索結果が表示されるんじゃなくって、Google がコンテンツ 生成して答えてくれるとか。現在は一部ユーザに提供されています。以下の画像をご覧ください。こんな感じ。

引用:Google Japan Blog|生成 AI による検索体験 (SGE) のご紹介

ちなみに、ChatGPTからは「サーチGPT」の開発が発表されました。まだ一般公開されていませんが「GoogleみたいなGPT」になるようです。従来の検索が、AIによる検索(AIが代わりにまとめてくれる)に置き換わっていく可能性があります。

次に商品検索。EC業界でも、検索エンジンのAI化は進んでいくと思われます。7月のプライムデーに合わせて、米国Amazonに 「Rufus(ルーファス)」というお買い物支援コンシェルジュが導入されました。使ったという声はまだあまり見かけないんですが。

・jGrab|Amazonの新AIアシスタント Rufusで買い物体験を一新

※弊社でも、去年の記事で「対話型ショッピング」の登場を予測してました。

昔ながらの商品検索やGoogle検索が、「AIが搭載された新しい体験」に置き換わっていくでしょうね。キーワードと検索結果の間に、AI が自動で作ったコンテンツが挟まれるようになっていくのかも。誕生日ケーキを楽天で検索したら、「どんな人への誕生日ケーキですか?」と聞いてくるとか。

こういった新技術に対する一般消費者の変化は、最初ゆっくりですが、じっくり確実に変わっていくと思います。そういえばGoogleがAI(Gemini)のCMを始めましたよね。そうすると、マーケティングのやり方や、競争の地図も変わります。

AIがマッチング精度を上げてくれるから、未来では、販促施策はあんまり必要なくなっていくような気がします。Google広告の自動化と似ています。「この商品はどういう特長があってこういう用途に良い」ということを売り手側が理解して、それを踏まえた商品情報を作っておくと、AIがマッチングしてくれる・・お客さんとの縁を取り持ってくれるんじゃないかなと。したがって、(当座はまだ必要ですが)今の販促テクニックの重要度は下がっていくはずです。

本来のマーケティングとは、何の情報をどの欄に記入する等の調整作業ではなく、顧客理解に基づいた、一貫性のあるメッセージと仕組みづくりです。AIが人間の買い物エージェントとして関与するとしても、AIは「人間の意向」で動くので、結局は顧客理解が大切です。未来のマーケティングが具体的にどうなるかわかりませんが、顧客と人間への理解が最重要なのは間違いないと思います。

さしあたっては、長期の展開を想像しながら、従来型の検索にAIが搭載されて「どうやって動くか」を眺めていると、少し先の予測がしやすくなるはず。

坂本解説のまとめ

以上を踏まえて、出店者の立場からの楽天動向の見どころはこの3つです。

(1)モバイルも伸びてきたことですし、TVCMなど販促費復活で流通は復活するのか要観察(2)最強配送がどの程度の影響力になるか要観察(3)AIが搭載された検索がじわりじわりと浸透していき、今後の販促活動がどうなるを要観察、です。

要観察ばかりですがw 未来を観察しながら、いざという時に動きやすいよう、足元の仕事や体制づくりを頑張りましょう

主要トピック解説

ここまでがオプティミズムの概要と、当社による将来予測でした。ここからは、各トピックについての詳細解説と、運営者への影響やすべきことをまとめていきます。

(1)楽天市場の流通回復

オプティミズムで真っ先に報告されたのが、楽天モバイルの契約数拡大でした。既に契約数を750万弱まで伸ばしており、年内には黒字化の基準である800万回線に到達する見込みとのこと。ずっと風当たりが強い中、どこでも回線が繋がるように投資し続け、最強プランをつくり、各種マーケティング施策などに注力した結果の伸びですね。

また楽天モバイルの好調が、楽天市場の流通回復にもつながるのではと期待が持てそうです。

CMの復活は、モバイル事業の好調によるもの?

楽天モバイルが伸びているおかげなのか、テレビCMが復活してきました。「楽天市場の魅力を凝縮して情熱的に伝えていく」方針を採り、「◯◯買うなら楽天市場」という切り口でアプローチされています。今後もどんどん作って多くのチャンネルで流し、楽天市場により多くのお客さんを連れてこようと思っているので期待してほしい、と語られました。

削られていた販促費が戻ってきたのかな。昔はよくテレビで楽天パンダを見かけましたが、ここ数年はCMが控えられていたので、再注力によって楽天市場の流通額が回復してくることを期待します。

(※前提として、今年の楽天全体の売上は、我々の体感としては横ばい~減少傾向です。要因は、コロナ特需の終了と、楽天の販促費削減だと考えています。)

モバイルの成長が、市場の成長を牽引

加えて、楽天モバイルにより、楽天経済圏が拡大することは、楽天市場の成長にももちろんプラスの影響を与えます。この図のように、モバイルにより「楽天経済圏」を拡大し、「楽天ポイント」を武器にして囲い込み、ユーザーの新規獲得と育成を仕掛けていく構想。毎回話されているので、おさらいですね。

既にSPUでは楽天モバイルユーザーが優遇されていますが、9月のスーパーSALEでは「楽天モバイルユーザー対象の先行セールの実施」など、さらにモバイル優遇を強める企画が試されました。反響はあまりなかったように感じますが、モバイルユーザーを楽天市場へ誘導するだけでなく、楽天市場コアユーザーに対して楽天モバイルを印象づけることにも多少はなったはず。

また、楽天モバイルを介して、膨大なユーザーの行動データがより緻密に収集されることも、楽天独自の強みです。日本国内ではほとんどの人が楽天グループの何らかのサービスを使っている試算があるようですが、そこにモバイルのデータも加わることで、他に類をみないデータが扱えるようになります。楽天グループの関連企業は、AIを通じてこの精緻なユーザーデータが反映されたサービスを活用できるようになり、各サービスがより成果を出せるようになっていくという展望も話されました。

(2)最強配送(配送品質向上制度)スタートによる影響

続いて「最強配送」の話題です。7月にスタートが切られた「最強配送」は、楽天は好調だと言っていますが、実際に最強配送を利用しているお店は少なく見えますね。現時点ではサーチ順位への影響はなさそうですし、静かなスタートとなった印象です。楽天としては参加商品数を増やしていきたいはずですから、オプティミズムの中でも積極的な参加が呼びかけられたようです。

なおここからは、一般ユーザーに向けての認知を広げていくフェーズとなり、TVCMの放映も始まる予定とのこと。「最強配送」がユーザーに認知されることで、だんだんとラベルが付いている商品が選ばれやすくなっていくなど反応が変わってくるかもしれません。

引用:楽天市場「Rakuten最強配送」

また関連する情報として出たのが、9月末の「検索精度ガイドライン」の公開です(詳しくは後で)。配送品質が検索順位決定の要素に含められるとのことで、ここまでは最強配送ラベルの有無が検索結果に影響しているといった傾向は見られませんが、ガイドライン公開後はいよいよ動きが出てくるかもしれませんね。

楽天はいつでも検索ロジックに最強配送ラベルの要素を組み込むことができるわけですから、引き続き用心しながら様子を見ていくことになるでしょう。

※最強配送制度について把握できていない人は、こちらでおさらいをどうぞ。

(3)検索へのAI搭載

さらに、楽天の検索機能にAIが絡んで進化していきそうです。具体的な発表としてあったのは、「ユニバーサルコンシェルジュ」機能の開発です。時期は不明ですが、楽天グループの持つ全てのサービス(金融も保険も飲食店情報も)のデータを包含したコンシェルジュサービスがリリース予定とのこと。

ユーザーの抽象的なニーズに対して、推薦や提案を全て対話型でやってくれるAIチャットといったイメージです。例えば買い物における商品検索も、今までみたいに買いたいものが決まっていなくても、「なんとなくこんなものを探したいんだよね」という抽象的な検索で、情報が出てくるようになっていくでしょう。

  • これに合うコーヒーが欲しい
  • これを食べられる喫茶店はない?

など、楽天のグループ企業のもつデータを駆使して展開できる

その他、楽天グループのAIへの投資については、いろいろなメディアが報道していますので、そちらの記事をご覧ください。

こうしたAIがサーチ機能に組み込まれることで、マッチング精度が向上し、検索のあり方が変わり、近い将来、現行のSEOノウハウの多くは不要になる「かも」しれません。

ただこれは、商品を探すお客さんのことを考えて「人間に合わせた良い商品情報」を作っていれば、「AIが最適なお客さんとマッチングしてくれる」形になっていくのかなと、個人的には想像しています。

その他の情報

上記の注目ポイント以外にも、様々なことが話されています。トピックの全容や詳細は楽天から配信されている録画で確認いただきつつ、ここでは重要度の高そうなものをざっくりと紹介します。

定期購入リニューアル(2025年3月頃リリース予定)

前々から話題だった定期購入のリニューアルは、サービス内容とシステムの両面において、2025年3月頃にリニューアルの予定。当初予定より少し遅れをとりつつも、仕様が固まってきています。

下図のようなAmazonに似たUIになることで、お客さんにとっては選びやすくなりますし、運営者にとっても出品しやすいシステムになる・費用も無料化されるなど、今後の展開が楽しみです。

【サービスの主な変更点】

  • 通常商品に定期購入が合体。定期購入商品を見つけやすくなる。比較しやすくなる。
  • 定期購入のオトクさが効果的にアピールされるようになる。
  • 定期購入もSPU対象になる。
  • UIが一新され、ユーザーが操作しやすくなる。

【システムの主な変更点】

  • 定期購入サービス利用料が無料になる。申込みも不要に。
  • 商品登録方法が変わる。「通常商品」と「定期購入」は別々に登録していたが、今後はひとつの商品として同じ画面で登録や編集できるようになる。
  • 金額変更が自動になる。これまでは途中で金額変更をした場合、既存の注文の金額は変わらず手動での調整だったのが、今後は金額変更に連動する。(価格が頻繁に変わる商材でも、定期購入への参入ハードルが下がりますね!)
  • ポイント倍率も初回のみ還元率を高く設定できるようになる。購入申込時(1回目)に設定されていたポイント倍率が2回目以降のお届けにも適用されるが、今後は2回目以降のポイント倍率は「1倍」になる。コストを下げた定期購入の活用ができる。

「コンテンツページ機能」は表示箇所拡大(2024年11月リリース予定)

7/29に新機能としてリリースされた「コンテンツページ機能」。新TOPページ作成機能と同じような操作感で、HTMLコーディングなしでコンテンツ作成が可能になる機能ですが、今後は以下のような追加機能がリリース予定とのこと。

【追加機能】

  • ユーザーによってバナーを出し分けできるようになる
  • アプリの「探す」タブ内で、テーマに合ったコンテンツが露出される
  • 広告(TDAなど)のLPとしてコンテンツページの入稿が可能になる

前から特集ページを作っている人は多いと思いますけど、今後は楽天市場からの導線もできていきます。イベント企画ページをつくったり、情報を整理してコンテンツとして発信することで、店への入り口が増えていくかもしれません。

楽天サーチの「検索精度ガイドライン」が公開(2024年9月末)

この発表もインパクトがありましたね。楽天でもいよいよ「楽天サーチの検索精度に対する考え方」がガイドラインとして公開されるとのこと。

アルゴリズムの詳細が明かされるといったものではなく、楽天が考えている検索エンジンの精度や考え方が明文化されて、「こういうときはこう考える」という運営者の指針になるものだそうです。ヤフーのガイドラインのようなイメージでしょうかね。きっと「ユーザーの買い物体験を向上させることが評価されるよ」ということが明文化され、各ショップの運営品質の向上を促す意向だと思われます。

AIによる店舗支援

RMSへのAIの搭載が始まっていますが、ますます範囲が広がっていきます!

商品説明文作成支援AIの機能拡充(2024年11月)

商品説明文作成支援AIは、今後の機能拡充として11月頃に2つの機能が追加される予定。

  • 新商品登録時にも使えるようになる(今は既存商品の商品情報編集用途のみ)
  • 景表法や薬機法に抵触するNGワードにアラートが出るようになる(例「世界No.1」「脂肪燃焼」「若返り」)

商品画像加工支援AIの機能拡充(2024年11月)

商品画像加工支援AIは、今後の機能拡充として11月頃に2つの機能が追加される予定。

  • 背景バリエーションの追加(リビング、寝室など)
  • 「白背景画像作成」機能も搭載予定

AIが広告原稿自動作成・自動改善(2025年Q1)

TDA広告においては、広告バナーのクリエイティブが自動生成されたり、配信結果から自動改善できる機能がリリース予定。

TDA広告はクリエイティブレギュレーションが複雑なので、自前で原稿を準備しなくてよくなるのであれば助かりますね。ただ背景画像生成AIのクオリティもまだ低いため、実用に耐えるかどうかは精度次第でしょうか。

レビュー返信作成支援AIが登場(2025年上期)

新しく「レビュー返信作成支援A」Iがリリース予定。簡単な指示をすると、返信文の候補が生成されるのだそう。そっくりそのまま使うと事故が起きそうなので、あくまで返信のベースとして活用することで、レビュー返信業務が手軽になりそうだし、新人スタッフにも任せられるようになるかも。

まとめ

ここまで、楽天出店者の皆さんに影響がある話を中心に、講演内容の要約と当社なりの予測を添えて解説しました。

楽天オプティミズム2024の発表内容から、楽天グループ全体としては楽天モバイルとAIを軸とした経済圏強化戦略を推進していくことが明確になりました。楽天市場においては、最強配送や定期購入のリニューアル、AIによる検索・広告配信の改善など、多くの新機能やアップデートが予定されています。

中でも、特に注目すべきは以下の3つと考えられます。

1.モバイルユーザー向けの施策強化
楽天モバイルユーザーを優遇するセールの実施など、モバイルと市場の連携が強化されます。モバイルユーザーへのアプローチを考慮した販促戦略が必要になってきます。

2.最強配送の影響
現時点では大きな変化は見られませんが、今後検索順位に影響する可能性があります。対応の検討と動向の注視、それぞれに気を配る必要がありそうです。

3.AIによる検索・広告配信の変革
AIが搭載された新しい検索体験により、従来のSEO対策が変化する可能性があります。商品情報の質と量を高め、AIにも理解されやすい形で提供することが重要になってくるかもしれません。

今回発表された内容は、おそらく段階的に実施されていきます。各機能の詳細や具体的な実施時期について、楽天からの正式な案内を確認し、自店舗にとって最適なタイミングで対応を進められるよう、このブログの情報を参考にしていただければ幸いです。

P.S.

このように、コマースデザインではEC業界の最新動向やイベントの中から、「ネットショップ運営者が知っておくべきこと」について分かりやすく解説し、情報発信しています。

ブログではトピック解説までですが、コンサルティングにおいては、「自分の店が、具体的にどう対応すればいいか」「こういう状況なんだけど、何をしたらよいのか」など、担当コンサルタントがじっくりご相談にのります。

それぞれのお店ごとに、ネットショップの運営状況や目指す方向性、抱えている課題は、異なります。
ですので、当社のコンサルティングでは、こうした各モール方針を熟知したうえで、皆さんのお店の「らしさ」を大事にした戦略検討を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

鳴瀬早紀
鳴瀬早紀
楽天SOY受賞の有名アパレルネットショップで運営を担当。店舗の広告塔として、メルマガやSNSなどでの販促やコンテンツ制作に従事する。特にメルマガでは、常時開封率25%以上を維持し、メルマガ経由の売上の引き上げに成功。また、イベント時のセグメントメルマガでは、開封率50%超えを叩き出すなど実績も多数。音楽フェスに参加すること、朝ドラ鑑賞が趣味。ビールが好き。

ECコンサルティング会社コマースデザインの社員ブログです。

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