ネットショップ運営者に伝えたい!「プチ改善がすごい」という話

こんにちは。コンサルタントの鳴瀬です。

今回は、ネットショップ運営者の皆さんにぜひ取り入れてほしい「プチ改善」について紹介します。ネーミングを少し変えてみたり梱包を工夫してみたりなどなど、シンプルな取り組みを積み重ねることで、チームワークが向上し、業務全体がよりスムーズに進むようになります!

明日からでも実践できる内容ですので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

みんなで「プチ改善」をしてみよう!

結論からいきましょう。冒頭でもお伝えしたように、ネットショップを組織で運営しているなら、スタッフみんなを巻き込んでプチ改善することをおすすめします!

プチ改善とは、スタッフ全員が自発的に行える、時間やコストをかけずにできる小さな業務改善のこと。例えば、前述したネーミングや梱包の工夫のほか、フォローメールの文章を見直すなど、稼働時間をかけずに完了できる単発の業務改善をイメージしていただければと思います。

なぜ、スタッフみんなでプチ改善するべきかというと、施策の実施を通じて、以下のようなポジティブなサイクルに入りやすい傾向があるからです。

  • 1:プチ改善を試して成功経験を積む
  • 2:成功の喜びから、スタッフが自発的にアイデアを出すようになる
  • 3:新しいアイデアで次のプチ改善を行い、さらに成功を重ねる
  • 4:改善がチームの習慣として定着する
  • 5:この流れを繰り返し、組織全体が活発化する

もちろん、「重要な業務が優先だから、プチ改善に時間を割けない」という声もあるかと思います。実際に私たちも、普段のコンサルティングでは「選択と集中」をよく提案しています。しかし、選択と集中をメインとしつつも、プチ改善もあわせて取り入れておくと、上述したように組織全体が活発になる効果があるんです!

ですので、重要度・優先度の高い業務を進めつつ、わずかな時間でいいので、スタッフみんなとプチ改善を進めてみてください。このちょっとした工夫が、大きな成果につながるかもしれません。

「プチ改善」を取り入れる3つのメリット

では、具体的に、プチ改善を取り入れるとどんなメリットがあるのでしょうか。以下、代表的なものを3つにまとめてみました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット1 チームの雰囲気が良くなり、組織力が向上する

プチ改善の1つ目のメリットは、チーム全体の雰囲気が良くなり、スタッフ同士の連携が深まるなど組織力が向上することです。

チームでプチ改善を行うと、たくさんの成功(と時には失敗)の経験を、みんなで分かち合うことができます。改善の過程では共同作業も行われるので、チームワークもよくなり、職場の雰囲気も自然と明るく活動的になっていきます。

その結果、スタッフ同士がイキイキと働き、さらに良い意見やアクションが生み出される好循環が生まれてくるようになるんです。

なお「チームで仕事させると対立してしまう…」という場合には、次の記事をぜひご覧ください。対立はフレームワークで解消ができますよ!

メリット2 お店のイメージアップにつながる

2つ目は、お店のイメージアップにつながる点です。プチ改善を通じてお客さんのための改善を積み重ねていくと、お店への評価はだんだんと良くなっていきます。

お客さんからすると、より楽しく気持ちよくお買い物ができたお店は心と記憶に残るもの。

  • あのお店は感じがよかったな
  • また、あのお店でお買い物がしたいな

そう思ってもらえ、リピート利用にもつながり、売上にも跳ね返ってくるようになってくるわけですね。

プチ改善は、ひとつひとつの施策効果は小さく、かつ即効性もないかもしれません。しかし、長い目で見ると、着実にお客さんのイメージアップの効果が得られるようになり「良いお店」と思ってもらいやすくなる点は、押さえておきましょう。

メリット3 コストがかからない

3つ目は、それほどコストがかからない点です。

プチ改善は、その名のとおり小さな取り組みですので、大掛かりな予算や時間といったものは基本的には必要としません。重要なメイン業務の合間に取り組めるほか、失敗した場合も影響が小さいため、リスクも低く、気軽に始めることができます

失敗上等」くらいの気持ちで、フットワーク軽くトライ・アンド・エラーを繰り返せるのは、施策として嬉しいポイントだと思います。

ネットショップの「プチ改善」の具体例を3つ紹介します

では、プチ改善とは具体的にどういった施策をすることなのでしょうか。最後に取り入れやすいように、具体的な事例を3つほど紹介します。

先にポイントだけお伝えしておくと、プチ改善は「ささいなことや当たり前だと思って見過ごしていたことに目を向けて、ちょっと直してみる」だけで充分です。前述したとおり、ひとつひとつはそこまで大きな成果にはならなくても、長い目で見れば大きな変化につながる可能性が十分にあります。ぜひ参考に、自身のお店のプチ改善点を探してみてください!

プチ改善例1 施策のネーミングを変える

まず紹介するのが、施策のネーミングを変えるプチ改善です。

例えば「購入した商品とあわせて、おまけのサンプル品をお送りする」という定番施策がありますよね。このサンプル品のネーミングをプチ改善してみるとお客さんの心象を良くできる、というお話です。

まずはお客さんの立場になって「ネットショップで注文した荷物を開封するシーン」を想像してください。

カッターでガムテープを切り、ダンボールを開けると、購入商品と一緒にもう1つ品物が入っていました。そこには小さなメモがついていて「サンプルを添付します。お使いください」と書いてあります。

さて、どんな印象を抱きますか?

おそらく「ありがたいし嬉しい。けれども、どこかサンプルという言葉にカタさや冷たさを感じる」。そんな印象を持ったのではないでしょうか。

それもそのはず。「サンプル」という表現は、お店側の使う言葉であって、お客さんからすると少し距離があるんですね。

これがもし「サンプルを添付します」ではなく「お客様へ感謝を込めて特別ギフトをお届けします」と書いてあったなら、だいぶ印象が変わってきますよね。少なくとも「サンプル添付」よりは、お店の心遣いやあたたかさのようなものを感じられるのではないでしょうか。

このように、すでにおこなっている施策の表現を少し変えるだけで、お客さんにプラスの印象を持ってもらうことができます。立派なプチ改善ですよね。

プチ改善例2 ダンボールを開封しやすくする

次に紹介する例は「ダンボールや袋を開封しやすくする」ことです。

これもカンタンなお話で「お客さんがどうやったらダンボールや袋を開封しやすくなるか?」を考えて梱包の工夫をする。これだけです。

例えば、以下のような例があります。

  • ダンボールに「ここを押すと開けやすいですよ」と印字やシールでガイドする
  • ガムテープの端を丸めて、はがしやすくする
  • ダンボールをガムテープで厳重に密封する、必要以上に緩衝材を入れ込みすぎるなど過剰な梱包をやめる

印字やシールのコストや、梱包スタッフへのオーダーという手間はかかりますが、お客さんへの心遣いが伝わる良い工夫だと思います。ぜひ検討してみてください。

プチ改善例3 伝票をおまけにしてしまう

最後に紹介するプチ改善は「伝票をおまけにしてしまう」です。商品と一緒にお渡しする納品伝票の裏に、ちょっとした情報や遊び心ある企画を印刷し、お客さんの印象を良くします。

この施策は適用がしやすいのが特徴で、例えば、お花屋さんが水やりのコツを載せたり、靴屋さんがメンテナンスの手順を載せたりなど、商材やお客さんのニーズにあわせてさまざまなパターンが検討できます。

私も過去にいろいろな事例を見てきたのですが、その中でも特に印象的だったのは納品伝票の裏をぬり絵にしてしまう例です。とある子ども向け商品を売っているお店で見かけたのですが、子どもへのおまけとして「親子で楽しめるぬり絵」を納品伝票の裏に印刷していたんです。

お客さんにも喜んでもらえて、しかも「ぬり絵のお店」として認識してもらえる…と、販促としてとても合理的かつ効果的だなと関心しました。

特にモール店だと「楽天で買った」「Amazonで買った」としか認知されないことも多いので、こういうお店を覚えてもらう工夫は本当に大切です。(こちらの記事も併せてご覧ください→ネットショップ「名前をおぼえられるお店」と「そうでないお店」の違いとは?

前述したダンボールと同じく、多少の印字コストが必要ですが、少しずつ満足度を積み上げて、お店の認知度を上げられる方法かと思います。自分のお店のジャンルや商材で何ができそうか、ぜひスタッフのみなさんを巻き込んで考えてください。

「プチ改善」を取り入れてチームもお店も成長しよう

以上、この記事ではプチ改善についてお伝えしてきました。

こうした小さな改善は、経営者や店長が経営判断をもとに指示を出すには細かすぎるのが一般的です。なので運営スタッフみんなに自発的に考えてもらえると、フットワーク軽く進むようになります。スタッフ側としても自己効力感が高まりますし、より楽しんで仕事にも向き合ってもらえるようになる「すごい施策」といえるのではないでしょうか。

選択と集中で大事なことにリソースを割くのも大切ですが、負担のかからない改善策を習慣化することも良いものです。ぜひ日常の業務に、取り入れてみてくださいね。

P.S)「プチ改善」をする時間さえない…そんなときはご相談を

とはいえ「スタッフみんなが忙しすぎて、プチ改善をする時間さえない」というケースもあるかもしれません。

日々の業務に忙殺されるばかりでどうしたらいいかわからない。そんなときは、ぜひコマースデザインまでご相談ください。

  • 伸び悩んでいるECサイトの売上をもっと伸ばしたい!
  • やりたい施策は多いけれどリソースが足りない!
  • 売上とリソース確保、どちらを優先すべきか悩む
  • そもそも何が問題なのかもわからない!客観的な意見がほしい

などなど、上記のようなお悩みに対してどう対応するべきなのか、腕利きのコンサルタントがご一緒にじっくり考えます。以下より、ぜひお気軽にお声がけください。

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この記事を書いた人

鳴瀬早紀
鳴瀬早紀
楽天SOY受賞の有名アパレルネットショップで運営を担当。店舗の広告塔として、メルマガやSNSなどでの販促やコンテンツ制作に従事する。特にメルマガでは、常時開封率25%以上を維持し、メルマガ経由の売上の引き上げに成功。また、イベント時のセグメントメルマガでは、開封率50%超えを叩き出すなど実績も多数。音楽フェスに参加すること、朝ドラ鑑賞が趣味。ビールが好き。

ECコンサルティング会社コマースデザインの社員ブログです。

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