こんにちは、コンサルタントの林です。
突然ですが、ネットショップ担当者のみなさん。在庫が積み上がり、保管コストが増える…そんな「売れ残り問題」に悩んでいませんか?
在庫問題は解決が難しく、少し値下げをしたり、広告を出したりするくらいではなかなか解消されないんですよね…。
そこで今回は、売れ残り問題に役立つかもしれない1つのアイデアとして「ギフト化施策」をご紹介します。
すぐに真似ができて効果が出しやすい、鉄板の手法です。なかなか在庫がさばけず困っている方は、ぜひ参考にしてみてください!
- 目次 -
売れ残り商品が一瞬で完売!ギフト化施策とは?
まずは「ギフト化」とは具体的にどういった施策なのか、実例をもとに説明します。
とある生活雑貨を扱うネットショップでは、大量の売れ残りタオルに頭を悩ませていました。タオル単体での販売では限界があり、なかなか在庫を減らせない状況が続いていたのです。
そこで店舗の担当者さんは「ほかの商品と組み合わせて販売できないか?」とアイデアを考案。手元の商品との組み合わせを検討し、相性の良さそうな「ハンドクリーム」とセットで販売することにしました。
ちょうど時期的に母の日が近かったこともあり「家事を頑張るお母さんの手荒れケアのギフトセット」として商品ページを作成し、公開。その結果、これまで売れなかった在庫が即完売。在庫の悩みが一気に解決されたのです。
つまり、単なるタオルではなく「ギフト」という形に見立てなおすことで、より多くの人の目に留まるようになり、購買意欲を刺激する商品へと生まれ変わった、というわけです。
これがギフト化施策です。
なぜここまで売れたのか?2つのポイント
ギフト化をしただけで、なぜ売上がここまで伸びたのでしょうか。要因にはいろいろあるのですが、特に重要なポイントを2つに絞って解説します。
対象となるお客さんの数が増えたから
1つ目のポイントは、ギフト商品にすることで、新たなお客さん層にアプローチできたことです。
たとえば、タオルを単品で販売する場合、購入対象は「タオルを必要としている人」に限定されます。
しかし、これがギフト商品になるとどうなるでしょうか?
「贈り物に何か良いものはないかな?お、タオルか。タオルは何枚あっても困らないし、しかも手荒れケア用のハンドクリーム付きだ!」といったように、もともとタオルを探していなかった人にも興味を持ってもらえるようになるのです。
もちろん全ての商品でギフト化できるわけではありません。しかし、ギフトに適している商品であれば、ご紹介した例のように一気に売れる可能性があります。
お客さんに「買うべき理由」が伝わったから
2つ目のポイントは、「この商品を買うべき理由」をお客さんに明確に伝えられたことです。
今回の例では、ギフト化するにあたって一工夫していますよね。具体的には、そのまま「タオルギフト」とするのではなく、ハンドクリームと組み合わせて「手荒れケアに役立つギフト」という新しい価値を付加しています。
これによって、商品を選んでいるお客さんの中で、次のような印象の変化が起こるようになりました。
- Before:手や体を拭くことに特に困ってはいないよなあ
- After:ギフトの贈り相手は手荒れに悩んでいそう。これはちょうどいい!
そう。同じ商品でも、この「見立ての工夫」によってお客さんの購買意欲を大きく高めることができているんですね。お客さんは「なぜこの商品を買うべきなのか」を理解できるようになり、自然と購入を後押しされるようになります。
『なんでも凍ってしまう北極では、冷蔵庫は「凍らせずに保存する道具」として売れる』という有名な話がありますが、このように同じ商品でも視点を少しだけ変えてみるとドカンと売れだす可能性があります。
今回の「ギフト化」にも、これと同じ作用が働いているといえるのではないでしょうか。
今日からできる!ギフト化企画の立て方
なるほど、ギフト化に可能性があることはよくわかった。でもどう進めたらいいの?そうお悩みの方もいるかもしれません。
そこでここからは、実践編として、売れ残っている商品をギフト化する企画の立て方をお伝えしていきます。
ステップ1. 販売したい商品を決める
まずは売れ残っている商品の中から「どの商品を販売していきたいか」を決めましょう。
この時のコツは、いきなり1つの商品に絞らないことです。いくつかピックアップしておくと、タオルとハンドクリームのように、企画を立てていく中で組み合わせることができます。
目安ですが5〜8商品ほどは候補に入れておくことをおすすめします。これだけの数があれば、アイデアの幅も広がりやすくなるはずです。
ステップ2. 商品の「ダレナゼ」を考える
次に、その商品をどのような見立てでギフト化すると良いのか「ダレナゼ」を考えていきます。
ダレナゼとは「誰が、なぜ、その商品を買っているか」を理解すること。ダレナゼをもとに商品の見立てを考えることで、お客さんのニーズを的確にとらえられるようになり、成果につながりやすくなります。
ダレナゼを考えるときは、商品レビューを参考にします。というのも、商品レビューは「ダレナゼ」を理解する具体例の宝庫なのです。
例:
- 出産したばかりの友人に、子ども用のバスタオルとして贈ったら喜んでもらえました!
- 結婚したので、家族で使うタオルを新調しました。肌触りが良いと好評です!
こうしたレビューを読むことで、お客さんのニーズを把握しやすくなるはずです。
「ダレナゼ」の考え方や手順は、以下の記事で詳しく説明しています。あわせて参照ください。
ステップ3. どうギフトに見立てるかを考える
素材が集まったら「選んだ商品」と「ダレナゼ」を組み合わせて、どのようにギフト化するかの企画を決めていきます。
ギフト化の企画において大切なのは「誰が誰に、何のためにプレゼントするのか」の意味付けです。つまり、ダレナゼの具体化です。
例えば、アロマオイルとアロマ石鹸セット。よく見かける人気のギフトですよね。実はこれもただアロマ繋がりでセット販売にしているわけではなく「仕事を頑張る家族や恋人に癒やしのひとときをプレゼントしたい」といったニーズにあわせて企画されているんです。
このように利用シーンも想像できるように意味づけしているからこそ、ギフトとしての魅力が高まり、より多くのお客さんに「この商品を買うべき理由」を伝えることができます。
ギフトは言うなれば、コミュニケーションツールです。「贈る相手が喜んでくれるか」こそが価値であり「ちょっと高くても良いものをプレゼントしよう」という思考が働くようになります。
お客さんにこの思考になってもらえれば、いわゆるコスパは二の次。粗利も高くなります。適当な企画で妥協するのではなく、じっくりダレナゼをもとに考えるのがおすすめですよ。
ステップ4. 商品ページを作り、商品化する
ギフト化の企画が立てられたら、最後は商品化です。
ここまでじっくり考えてきた「誰のどんな目的にぴったりのギフトなのか」が伝わるように、魅力的なページを作成しましょう。
もちろん、ギフトを贈る側の不安にも先回りが大切。どんなラッピングになるのか、お届け日はいつになるのかなどもわかりやすく書き添えてあげましょう。
また、既存の商品ページから「ギフトをお探しの方はこちら」と、リンクで誘導することも忘れないでくださいね。
企画次第で、売れ残り商品も完売できる!
今回は、すぐに真似ができて効果が期待できるギフト化施策のご紹介でした。
売れ残り商品はもちろん、新しい顧客を開拓したいという時にも、ギフト化が突破口を切り開いてくれるかもしれません。ぜひ、ご自身の商品で取り入れられそうなことがないか、考えてみてくださいね。
P.S 企画に悩んだら、ご相談ください
なお、こうした企画を立てるには、もちろん慣れもありますが、一定のセンスも必要になってきます。もし行き詰まることがあれば、ぜひコマースデザインを思い出してもらえれば幸いです。
売れ残り商品を完売させるための企画立案はもちろん、ネットショップを運営する上でのお困りごとにもお力になります。以下のページよりお気軽にご相談ください!
この記事を書いた人
- 地方の中小酒蔵や酒屋、大手小売などで経験を積み、現場や地方の労働環境に精通している。EC部門立上げや、SNSマーケ、小売部門のマネージャーとして業務改善や販促全般に携わるなど、務めた業務も幅広い。売り方に悩む企業を支援したい思いからコンサルタントに転向。埼玉出身で、酒に目がない。カメラ、旅行、格闘技など多趣味である。