なぜレビューは書かれないのか?お買い物体験を振り返ってわかった効果的な対策とは?

こんにちは、コマースデザインの林です。

ネットショップを運営している方なら、一度は「レビューを書いてもらえない…」と悩んだことがあるのではないでしょうか。

高評価のレビューがたくさんあると検索結果で目立ちますし、転換率アップにもつながるので、レビューはたくさん書いてほしいですよね。

そこで今回は「レビューが集まらない問題」について、考えてみます。

なぜレビューは書かれないのか?その理由と効果的な対策を、コンサルタントの同僚と一緒に、普段ネットショッピングをする際の消費者目線で深掘りしています。

レビューが増えずお悩みの方は、ぜひご覧ください!

なぜレビューは書かれないのか?

まずはちょっと考えてみましょう。

お店としてはレビューをたくさん書いてほしいですよね。でも、消費者の立場になったとき、いつもレビューを書いているかというと、どうでしょうか?実は「自分ではあまりレビューを書かない」というギャップがありませんか?

先日、当社のコンサルタントの間でもこの話題になりまして。「毎回自発的にレビューを書くわけではない」「むしろ、あまり書かない」という意見が出てきました。

そう、買った商品について自発的にレビューを書く人は、そこまで多くないのです。

では、なぜレビューは書かれないのでしょうか。同僚コンサルタントと理由を深掘りしてみたところ、大きく2つの観点が見えてきました。

理由1. レビューを書く動機が不足しているから

1つ目は「レビューを書く動機が不足している」という理由です。

例えば、感動するほど良いお買い物だったときや、(よくないことですが)文句を言いたくなるほどガッカリしたときなど「気持ちが大きく動いたとき」にはレビューを自然と書きたくなりますよね。

ですが、期待した範囲から出ない、いわゆる「ふつうのお買い物」だと、レビューを書くほどの強い動機が生まれにくいですよね。そもそもレビューを書くのは手間がかかるうえ、書かなくても困ることがないからです。

すべてのお客さんにレビューを書きたくなるほど感動的なお買い物体験を提供できれば理想ですが、常にこれを実現するのはなかなか難しいもの。なので、レビューを増やすためには「レビューを書こうと思ってもらえるようなメッセージングが必要になります。

理由2. レビュー依頼に気づかないから

2つ目は「レビュー依頼に気づかない」という理由。

理由1のとおり、レビューを増やすには依頼(メッセージング)が大事ですが、そもそもその依頼が目に入らないケースがあります。リマインドされないまま「後で書こう」と思いながら、いつの間にか忘れてしまうわけですね。

だからこそ、メッセージングにおいては、確実にレビュー依頼が目に入る仕掛けを作ることが大切になってきます。

ここまでの話を整理します

これら2つの理由を踏まえると、対策の方向性が見えてきます。整理すると以下のとおりです。

  • 動機が不足していればレビューは書いてもらえない。だからレビュー依頼(メッセージング)が大事
  • レビュー依頼に気づかなければ、やはり書いてもらえない。だから、依頼が目に入る仕掛け作りが大切

つまり、レビューを書きたくなるようなメッセージを工夫し、それを確実に目に留まる形で届ける。この2段階のアプローチがポイントになります。

レビューを書いてもらうための具体的なアプローチは?

では具体的に、どのようなアプローチが効果的なのでしょうか。当社のコンサルタントが、「実際にレビューを書いた経験」を振り返ってみると、興味深い共通パターンが見えてきました。

先ほどお伝えした以下2つの観点から、消費者の立場で考えた方法を紹介します。

アプローチ1. 書きたくなる仕掛けを作る

レビューを書こうと思ってもらうためには、モチベーションが上がるような伝え方にする必要があります。「レビューをお願いします」だけでは、なかなかお客さんには響きません。

これは商品の販売と同じ考え方です。買ってほしいときには「この商品を買ってください」というだけではなく、商品の魅力をしっかり伝えますよね。レビュー依頼も同様で「レビューを書いてください」だけでは足りません。相手の立場に立ったメッセージが必要です

では、具体的にどんな工夫があるのでしょうか。以下にいくつか例を挙げます。

1.返報性の原理を使う

返報性の原理」とは、人は何かをしてもらうと「お返しをしないと申し訳ない」と感じる心理効果のこと。この原理を利用して、少しだけサービスを手厚くしてあげることでレビューを集めるというわけです。

例えば、思っていた以上に商品に満足した時や、オマケが入っていた時には、お返しとしてレビューを書きたくなる傾向にあります。

「でもオマケは原価が上がってしまうよ」という方は、お客さんからの問い合わせに丁寧に対応するなど、接客でのアプローチを検討してみましょう。実際に「丁寧に対応してくれてありがとうございました」という高評価レビューが書かれるケースはとても多いです。

2.人の顔が見える工夫を取り入れる

「人の存在を感じられる」というのも、レビューを書く動機になります。

例えば、レストランで食事をした後、シェフが挨拶に来たら自然と「美味しかったです。ごちそうさま」と伝えたくなりますよね。また、無人レジや自販機に向かってお礼を言う人はいませんが、レジに人が立ってたら「ありがとう」と言う人も多いのではないでしょうか。

同じようにネットショップでも、中の人が見える工夫をすればレビューを書いてもらいやすくなります。例えば「いただいたレビューはすべて目を通しています。80歳の職人も印刷して読み、励まされています。ぜひ感想をお寄せください」などのメッセージとスタッフの写真を載せるイメージですね。

実際、当社コンサルタントがネットショップの現場を訪問してみると、壁にレビューを貼り出して見えるようにしているお店もあります。スタッフさんのモチベーションアップにもつながる良い方法だと思います。

3.レビュー特典をつける

レビューを書いてもらうことに対して特典をつけるのも方法の一つですね。次回のお買い物で使えるレビュー特典クーポンなども有効です。クーポン以外にもいろんな特典が考えられるので、販促費用に余裕があれば検討してみるのも良いかもしれません。

アプローチ2. 複数の接点で繰り返し依頼する

レビュー依頼に気づいてもらうには、何度も目に入る仕組みが必要です。定番の対策として「レビュー依頼メール」がありますが、いまはLINE社会。メール一通だけでは見落とされてしまうことも多いものです。

そこで、メール以外の方法とも組み合わせ、複数の接点を設けましょう。たとえば以下のような施策が考えられます。

  • 購入前:商品ページで「レビューをお願いしています」と前振りする
  • 商品到着時:レビュー依頼の用紙を同封する
  • 購入後:レビュー依頼メールでリマインドする

ポイントは、商品が届いた瞬間や、ダンボールを開けるときなど、必ず通る動作に合わせて複数回アプローチしていくことです。これにより、レビュー依頼が複数回、お客さんの目に入ることになります。

参考までに、レビュー依頼ができるタイミングのチェックリストをまとめてみました。お使いのモールやカートサービスによってできる・できないはあると思いますが、こちらを活用して、ぜひレビュー依頼のタイミングを洗い出してみてください。

<レビュー依頼のタイミング>

  1. 購入前
    □ 商品ページ内での告知
    □ カート画面でのお知らせ
    □ 購入完了画面での案内

  2. 商品到着時
    □ レビュー依頼の同梱資料を封入
    □ 商品に依頼シールを貼る

  3. 購入後のフォロー
    □ 注文後のフォローメール
    □ 商品到着後のフォローメール

まとめ:レビュー獲得は「書きたくなる×目に入る」の2段階で考えよう

今回は「レビューが集まらない理由」と、その対策について、コンサルタントたちの消費者としての体験を振り返りながらお話ししました。ネットショップを運営しているなら、誰しもレビューを増やしたいと思うはずです。

ただ、そのためには「書きたくなる仕掛け」と「複数の接点で複数回」の2つが欠かせません。「レビューが集まらない…」とお悩みでしたら、この2点を少し工夫してみてはいかがでしょうか。意外とスムーズにレビューが集まり始めるかもしれません。

その後、レビューがある程度書いてもらえるようになってきたら、高評価レビューが増えるように以下の記事もあわせて取り入れてみてくださいね

P.S)悩んだ際はコンサルタントまでご相談ください

とはいえ、業種や商品によって最適な施策は異なります。「どの施策を優先すべきか」「自社にはどんなアプローチが向いているか」など、レビュー獲得でお困りの際は、ぜひコマースデザインにご相談ください。

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この記事を書いた人

林智弥
林智弥
地方の中小酒蔵や酒屋、大手小売などで経験を積み、現場や地方の労働環境に精通している。EC部門立上げや、SNSマーケ、小売部門のマネージャーとして業務改善や販促全般に携わるなど、務めた業務も幅広い。売り方に悩む企業を支援したい思いからコンサルタントに転向。埼玉出身で、酒に目がない。カメラ、旅行、格闘技など多趣味である。

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