なぜ定期購入は利用されないのか?お得なだけでは足りない理由と対策

こんにちは、コンサルタントの林です。

ネットショップの収益を安定させる「定期購入」。できるだけ多くのお客さんに使ってもらいたいところですが、「思ったほど利用してもらえない」「どんなに“お得”をアピールしても響かない」と悩んでいませんか?

実は、定期購入を導入しているのに伸び悩む原因は、商品と施策の相性だけではありません。特にリピート性の高い日用品や消耗品を扱う場合でも、誤ったアプローチをすればなかなか利用してもらえないのです。

そこでカギとなるのが「いきなり定期購入を勧める」のではなく「段階的に興味を高める」アプローチ。この記事では、お客さんの自然な行動パターンに寄り添った2ステップの販促方法を解説します。

定期購入の利用者を着実に増やしていきたい方は、ぜひ最後までお読みください!

「お得です」だけでは定期購入してもらえない理由とは?

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こうしたアピールを商品ページで目にすることは多いですよね。

確かに、費用対効果の高い定期購入はLTVの向上や安定収益につながる夢のような仕組みです。しかし、お客さんからすると「本当に毎月必要かな?」「まずは1回だけ試したい」という気持ちが上回り、初回から定期購入には踏み切りにくいものだったりします。

そこで求められるのが「1回で決めてもらおうとしない」販売施策。ここを押さえるだけで、定期購入の利用率はぐんと変わります!

次の章で詳しく見ていきましょう。

「様子見」から「定期購入」へ。よくあるお客さんの自然な行動パターンに注目しよう

実際のお客さんの行動を観察すると、興味深いパターンが見えてきます。

多くのお客さんは、商品ページで「安い定期購入」を認識しつつも、最初は単発での購入を選択します。このときの心境を描写してみると「定期購入の方が結構お得だな。でも、そんなに使うか分からないし、今回は単品で様子を見てみよう」といった具合ですね。

じゃあ、次に買うときには定期購入に切り替えてもらえるかというと、そこまで増えないのが現実。やっぱりお客さんは同じような判断を繰り返します。「2回目だけど定期購入また今度でいいや」という具合に、定期購入の存在を意識しながらも、すぐには決断せず、何度か通常購入を繰り返すのです。

しかし、さすがに3回、4回と購入を繰り返すと、あるとき「もういっそ定期購入でいいんじゃないか。そっちのほうがお得だし」という気持ちが芽生えてきます。ここでようやく自然な形で定期購入へ踏み切ってもらえるわけですね。

何が言いたいのかというと、お客さんが定期購入に踏み切る理由は「安さ」だけではない、ということです。それよりも「すでに繰り返し買っている事実」の方が動機になりやすいんです。

定期購入の促進策は2ステップで考える

このお客さんの行動パターンをもとにすると、定期購入の販促は2つのステップに分けて考えたほうが良いことがわかります。具体的には「認知」と「決断」です。

この2つのステップを意識すれば、施策も打ちやすく、気負わずスムーズに定期購入を利用してもらいやすくなります。詳しくみていきましょう。

ステップ1. 認知:まずは知ってもらう

1つめのステップは「認知」です。定期購入がお得であること、どのように良いサービスなのかを、まずはお客さんに知ってもらいます。

例えば、カートに商品を入れた時に「定期購入もあります。これだけお得です」とさりげなく表示したり、商品と一緒に同封するチラシで定期購入の案内を入れたりします。認識の母数を増やすことがポイントです。

もちろん、これだけではなかなか利用してはもらえないのは上述したとおり。しかし、お客さんは購入するたびに定期購入の案内を目にすることになるので、なんとなく頭の片隅に定期購入の存在が残ります。この「認知」がまずは大事です

ただし、ここであまりにうるさくアピールしてしまうと、わずらわしく思われ、お客さんが離れてしまいかねません。押しつけがましくない形で、でもお客さんに自然と定期購入の存在を意識してもらえる提案量を心掛けましょう。

ステップ2. 決断:適切なタイミングで後押しする

2つめのステップは「決断」。これは「そろそろ定期購入にしてみようかな。今なら申し込んでもいいかな?」というお客さんの決心を後押しする段階です。

リピート購入をするようになったお客さんに対して、メルマガやSNS、DMなどを通じて「今申し込むと特典が付いてきます」「これからのシーズンは使用頻度が上がるので、定期購入がおすすめです」といった具体的な理由とともに提案をおこなうイメージです。

認知の施策によって頭の片隅に残っていた「定期購入ならお得」という情報が、このタイミングの後押しによって一本の線につながり、転換に至るというわけですね。

整理しましょう。定期購入は「最初の購入でいきなり決めてもらう」のではなく「まず知ってもらう→適切なタイミングで申込んでもらう」の2ステップで考えること。これが、お客さんの行動パターンから考えられる定期購入の効果的な販促方法です。

なお、そもそもリピート購入が難しい…という方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

2ステップを成功させる!「販促計画作り」

最後に、より多くのお客さんに定期購入を「決断」してもらうコツを紹介します。それは「販促計画を作り、常に定期購入の”存在”と”意義”が感じられる状態を作ること」です。

具体的には、商品を買う度に「定期購入の方がお得」という存在が目に入り、メールやSNSなどで「今だからこそ定期購入がおすすめ」という”意義”に触れられるようにすること。これをできるだけ頻度高くサーブできると、定期購入に転換してもらいやすくなります。

これを実践する仕組みとして必要なのが、年間の「販促計画」です。「1月は新年の目標達成に向けて」「5月は夏に向けての準備に」というように、商品特性と季節性を組み合わせた訴求ポイントを準備しておくことで、より説得力のある提案が可能になります。

例えばワインの定期購入なら、ボジョレーヌーボーの解禁時期や年末年始などのパーティーシーズンのときに「いま定期購入するとお得」と定期購入を促すなどの方法が考えられますね。

大昔の歌ですが「日本全国酒飲み音頭」をご存じでしょうか?この歌では「1月は正月で酒が飲めるぞ」からはじまり一年中何かしら理由をつけて酒を飲んでいるんです。この歌のように、12ヶ月すべては必要ないかもしれませんが、その時期ごとにお客さんが申し込みやすい理由を考えておくと、こちらから声を掛けていくようなプッシュ型のマーケティングもしやすくなります。

ぜひ以下の記事も参考に、年間販促計画を立てて、定期購入の誘導を強化してみてください。

まとめ:お客さんの行動パターンに寄り添う定期購入販促を

定期購入のお客さんを増やすためには、お客さんの自然な購買行動パターンに寄り添うことが大切だよ、というお話でした。

  • 定期購入は「一度で決めてもらう」ものではなく、「何度か使っているうちに契約してもらう」もの
  • まずは“存在”を知ってもらい、タイミングが来たら“決断”を後押しする
  • 1年を通してお客さんの「申し込みたい気持ち」にアプローチする計画を立てる

この3つを意識して販促を進めると、自然な流れで定期購入者を増やすことができます。

つい1回で定期購入に申し込んでもらおうと商品ページやLPの作り込みをしがちですが、それ以上に重要なのは、定期購入の存在を継続的に認知してもらい、お客さん自身が「今こそ定期購入を始めよう」と思えるタイミングを逃さず提案することです。

ぜひ参考にしてみてください!

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この記事を書いた人

林智弥
林智弥
地方の中小酒蔵や酒屋、大手小売などで経験を積み、現場や地方の労働環境に精通している。EC部門立上げや、SNSマーケ、小売部門のマネージャーとして業務改善や販促全般に携わるなど、務めた業務も幅広い。売り方に悩む企業を支援したい思いからコンサルタントに転向。埼玉出身で、酒に目がない。カメラ、旅行、格闘技など多趣味である。

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