こんにちは、コマースデザイン鳴瀬です。
今回のテーマは、「商品の強みがすぐに伝わる、商品名の考え方」について。特に、オリジナル商品を扱うネットショップ事業者の方に、参考にしていただきたいお話です。
競合がひしめく市場で、オリジナル商品をどう差別化して売ればいいのか。日々、悩みながら商品ページを作り込んでいる方も多いと思います。しかし、実は「お客さんが商品ページにたどり着く前に、商品名で大半の勝負が決まっている」ことはご存じでしょうか。
オリジナル商品を売るためには、まず検索結果で、商品の強みを伝える必要があります。
この記事で、注力すべきポイントとテクニックを詳しく解説しますので、ぜひ取り入れてみてください。
- 目次 -
把握しておきたい「お客さんの生態」
苦労して作ったオリジナル商品ですから、とにかく商品ページでいろいろと語りたくなりますよね。ただ、売りたい気持ちが強すぎるあまり、肝心なお客さんを忘れていませんか?
まずは、オリジナル商品を売るための重要な観点として「お客さんの生態」を把握しておきましょう。
お客さんはどこから来るのか?
そもそもネットショップのお客さんは、どこから買い物しにくるのかを考えてみます。
基本的にネットショップでは、お客さんが直接商品ページにアクセスすることはあまり多くありません。実際に、ご自身の買い物を振り返ってみてください。楽天などのECモールでは商品検索を、自社サイトではGoogleなどの検索エンジンを利用して商品を探すことが多いのではないでしょうか。
多くのお客さんも同様に、検索経由で商品ページを訪れます。つまり、検索結果でクリックしてもらえなければ、商品ページ自体を見てもらえません。当然、購入にもつながりません。
このことから、自社の商品を選んでもらうには、以下の2点を順番にクリアする必要があると言えます。
1.検索結果で、お客さんに興味を持ってもらう
2.商品ページで、購入を決定するための十分な情報を提供する
商品ページの内容による差別化も大切ですが、それ以前に「お客さんの目に留まること」が欠かせないのです。
お客さんは「画像」と「商品名」で見るページを選ぶ
では「検索結果で、お客さんに興味を持ってもらう」には、どうすればいいのでしょうか。ここで、もう1つ把握しておきたいお客さんの生態として「商品を選ぶ際の目線」を考えてみます。
ここでも普段の買い物を想像してください。キーワードで検索すると、画像・商品名・価格などが一覧で表示されますよね。たくさんの商品が並ぶ中で、どれをクリックするか決めるとき、みなさんはどうしていますか?
多くの方は、商品画像と商品名をざっと見て「良さそう」と思えば価格を確認し、クリックするか判断しているような感じではないでしょうか。
つまり、「商品画像」と「商品名」でいかに商品の強みを瞬時に伝えられるかが、商品ページへのアクセス数や売上を大きく左右するわけです。
お客さんに“刺さる”商品名の戦略とは?
ここまででオリジナル商品を売るためには、商品ページの手前「検索結果で商品の強みをいかに伝えるかが重要」「伝えるためには商品画像と商品名が重要」という話をしました。
では、検索結果で商品の強みを伝えるためには、どのような商品名にすれば良いのでしょうか。
ここからは「オリジナル商品の強みの見つけ方」と「強みを活かした商品名の考え方」について、中小企業の商品戦略をヒントに詳しく見ていきましょう。
※本記事では、選ばれる商品になるための「商品名」に的を絞ってご説明します。「商品画像」についてはまた別の記事で改めて解説します。
カテゴリを細分化する「サブカテゴリ」でニーズを発見する
まず、前提として強みの見つけ方をお話しします。
ECの巨大市場で、中小企業が大手と真正面から競合してもなかなか勝ち目はありません。そのため、中小企業がオリジナル商品を企画して売り出すときは、商品カテゴリを細分化した「サブカテゴリ」で勝負することが多いです。
靴・シューズ > スニーカー > レディース防水スニーカー(ここで勝負)
細分化された階層(サブカテゴリ)に行くほど、商品の特徴がより具体的になります。この「具体的な特徴」を武器にして商品をアピールしよう、という考え方です。
例をあげると、人気のプロテイン『タンパクオトメ』があります。この商品は、大きく言えばプロテインなのですが、男性やアスリート向けのマッチョなものではありません。「女性向け」というサブカテゴリに特化し、美容にいいイメージで支持を得ています。
サブカテゴリの強みを商品名に反映させる
サブカテゴリで見つけた強みや武器は「商品名」に反映してアピールします。
というのは、サブカテゴリ的な要素を商品名に込めると、お客さんに強みが伝わりやすくなるんですね。なぜなら、お客さんは、サブカテゴリレベルの「具体的な特徴」で、その商品に興味を持てるかどうかを判断しているからです。
わかりやすい例として『【ウマいプロテイン】ウマテイン』という商品を紹介します。「味」のサブカテゴリでキャラクターを立たせているのですが、ウマテインのネーミング1つで「味にこだわっている」ことを示せているのが伝わるでしょうか。ほかのプロテイン商品よりも「これだ」と思わせるインパクトがありますよね。お客さん目線でも、検索結果で出てきたら「ウマテイン?おもしろい!」と思ってつい商品ページを開いてしまいそうです。
もちろん、実際の味や好みに合うかどうかは実際に飲み比べてみないとわかりません。ただ、そもそも商品に関心のないところに対して、どう認知してもらうか?どうアプローチするか?という点で、この事例はとても参考になると思います。
真似しやすい!商品名の改善テクニック
「強みを短く端的に伝えるためには商品名が重要」という話をしてきました。
しかし「タンパクオトメ」や「ウマテイン」のようにセンスのある名前をすぐ考えるのはなかなか難しいですよね。
そこで、お客さんのクリックを誘うために「真似しやすいテクニック」をご紹介します。
大手に学ぶ「強みが伝わる商品名」の秘密
ここで、ウマテインのケースをもう1度振り返ってみましょう。
商品名の前に「ウマいプロテイン」という8文字のキャッチコピーが入っていましたよね。実はこれが商品名のテクニックで、商品の特徴を引き立てる短いキャッチコピーをまず伝えることで、お客さんの興味をひきつけているんです。
テレビCMでおなじみの小林製薬の商品を例にすると、以下のような構成です。
- シミを防ぐ「ケシミン」
- コンタクトを外した後に「アイボン」
- 肌にやさしい「サラサーティ」
- しっかり消臭「消臭元」
どれも商品の強みを端的に言い表す「短いキャッチコピー+名前」の構成になっていて、商品名や機能を覚えやすくなるように仕掛けられていることが伝わるでしょうか。
この 「商品名の前に、クリック率を上げるキャッチコピーをつけるテクニック」 を使うだけで、他の商品との差別化を図りやすくなります。
テクニックを取り入れてみよう
具体的には、7〜9文字程度の短いキャッチコピーを作り、商品名の冒頭に書いてみましょう。
可能であれば、他社との差別化要素をアピールできるワードを入れるのがおすすめです。例えば、次のとおりですね。
- 国産◯◯使用
- 有機◯◯
- 洗える◯◯
検索結果を見比べたときに「こちらの方が安心だな」「気軽だな」と思ってもらえるような一言が効果的です。
ただし、大前提として「お客さんのニーズと合致する」言葉を選んでください。ニーズのない要素を強調しても、お客さんの心には響きません。
もし商品名自体を変更できるなら「ウマテイン」のように、強みが一瞬で伝わるネーミングを目指すのも理想です。キャッチコピーと商品名を的確に組み合わせることで、クリック率アップが狙えます。
「商品の強み」がわからないときは
商品の強みを伝える際、伝える内容がお客さんの感覚とズレていたら狙い通りの成果は出せません。ハズさずに、しっかりお客さんにアピールするためには、次の順番で検討を進めることをおすすめします。
- (できれば)モニターアンケートを実施してお客さんの感想を集める
- アンケートやレビューを分析して、商品の強みを特定
- 商品の強みを盛り込んだ商品名をつける(商品ページでも強みをアピール)
- お客さんの反応を見つつ1〜3を繰り返し、最も訴求力の高い言葉に絞っていく
要するに、お客さんを中心に置き、ニーズに合わせて強みを探りながらメッセージを固めていくイメージです。
- お客さんが商品名に惹かれて商品ページを見て購入、レビューを書く
- お店はレビューを分析し、商品名や商品ページをブラッシュアップする
- 別のお客さんがブラッシュアップされた商品に惹かれて購入、レビューを書く
- 以下繰り返し…
時間はかかりますが、お客さんの声を正しく取り入れることで、商品の強みがより伝わりやすくなります。地道に積み重ねられれば、商品の認知度拡大や売上向上など相乗的な効果も期待できるのではないかと思います。
商品名を改善してオリジナル商品を成長させよう
今回は、オリジナル商品の商品名の考え方についてお話ししました。Amazonや楽天などのモールだけでなく本店でも使える考え方・手法だと思います。
大事なのは、他社商品と比べたときに、自社のオリジナル商品の強みが伝わるよう工夫をすること。それも検索結果ですばやく、わかりやすく、お客さんの目に留まるようにする必要があります。
すでにある商品名はなかなか変えられないと思いますが、誰でもすぐに対策できることとして、キャッチコピーがあります。商品の頭に7〜9文字で短い一言を入れてみましょう。
コピーを考える際は、オリジナル商品をつくった時の戦略を思い起こしてください。競合がひしめくメインストリートではなく、少し脇道に逸れたニッチなところ(サブカテゴリ)で勝負しているはずです。
オリジナル商品のニッチな魅力をどのような言葉で伝えるのか?そのヒントは商品レビューにあります。商品を気に入ってくれた人のレビューをしっかり読み込んでみると、本当に訴求するべき強みが見つかることがよくあります。お客さんの反応をよく観察しながら、商品の強みを育てていきましょう。
P.S.
・そうはいっても、なかなか難しい
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この記事を書いた人

- 楽天SOY受賞の有名アパレルネットショップで運営を担当。店舗の広告塔として、メルマガやSNSなどでの販促やコンテンツ制作に従事する。特にメルマガでは、常時開封率25%以上を維持し、メルマガ経由の売上の引き上げに成功。また、イベント時のセグメントメルマガでは、開封率50%超えを叩き出すなど実績も多数。音楽フェスに参加すること、朝ドラ鑑賞が趣味。ビールが好き。
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